WordPress 管理画面では、多くのことを設定することができます。しかし、ウェブサイトを最大限に活用したいのであれば、その舞台裏で何が起こっているのかを知ることが大切です。そのための重要な第一歩は、 WordPress の .htaccess ファイルの使い方を理解することです。
WordPressサイトは、その動作をするにあたり、いくつかの重要な「コアファイル」に依存しており、 .htaccess ファイルはそのファイルの1つです。.htaccess ファイルはデフォルトではサイトのパーマリンクに関連するいくつかのタスクを実行するだけですが、訪問者をリダイレクトしたり、サイトのセキュリティを強化したりするような便利な機能を実行するためにカスタマイズすることができます。
今回の記事では、 .htaccess ファイルについて紹介していきます。そして、WordPressウェブサイトのファイルから .htaccess ファイルを見つける方法と、それを使ってできる便利なことを学びます。
WordPressで .htaccess ファイルとは何か、そしてその仕組み
.htaccess ファイルは、ほとんどのWordPressがホストされているであろうApache ウェブサーバの設定ファイルです。ウェブサイトのサーバーに様々な指示を出すルールが含まれています。ほぼすべてのWordPressサイトでは、「ルート」ディレクトリに .htaccess ファイルがあります。これは、ファイル名がピリオドで始まる隠しファイルであり、拡張子がないファイルです。
デフォルトでは、WordPressで使う .htaccess ファイルは、大きなタスクを1つ処理します。
.htaccess ファイルはウェブサイトのパーマリンクがどのように表示されるかを制御します。したがって、パーマリンクの構造に変更を加えると、 .htaccess ファイルはウェブサーバーへ新たな指示を出します。実際には、パーマリンクを最初にカスタマイズするまで、.htaccess ファイルが実際にはウェブサイトで作成されないこともあります。
多くのサイトでは、.htaccessファイルに関して、以上になります。しかし、.htaccessファイルは、ウェブサイトの機能をいろいろといじってみるのにも使えます。例えば、.htaccess ファイルで301リダイレクトを設定することができます。また、ウェブサイトや本体コアファイルへのアクセスを制限するなど、セキュリティを強化するために利用することもできます。
さらに、いくつかのプラグインでは、プラグインの機能をサポートするために .htaccess ファイルに独自ルールを追加することもあります。これは特にキャッシングやセキュリティのプラグインでよく見られます。
少し抽象的に見えるかもしれませんが、心配いりません。WordPressで使う .htaccess ファイルを見つけて、変更を加えるために必要な技術的な詳細をすべて理解する必要はありません。
WordPressサイトの .htaccess ファイルの探し方と編集方法
先に進める前に、いくつかの安全対策にふれておく必要があります。ウェブサイトのファイルに直接変更を加えることは危険であることを理解することが重要です。注意していないと、ウェブサイトの主要機能を制御する箇所を壊してしまったり、ウェブサイトを完全にダウンさせてしまう可能性があります。
これらのリスクを軽減する方法はいくつかあります。
- ファイルを編集する前にウェブサイトをバックアップこのようにして、意図しない変更やミスを素早く元の状態に戻すことができます。
- 本番環境で実行する前に、検証用のステージングサイトを使用して編集をテストステージングサイトであれば、何の心配もなく自由に試すことができます。
- 編集を行う前に、ローカルコンピュータに .htaccess ファイルをダウンロードこのようにして、.htaccess ファイルの中で何かを壊してしまった場合、問題を修正するには、元のコピーをアップロードするだけで済みます。
WordPressサイトで .htaccess ファイルにアクセスするには、FTP (File Transfer Protocol)で直接サーバーに接続する必要があります。FileZillaなどのFTPクライアントと、ウェブサーバーへのFTP接続情報が必要です。
FileZillaでウェブサーバーに接続すると、右半分に表示される「リモートサイト」と書かれたエリアをチェックしてみてください。サイトのドメイン名にちなんだフォルダが出てくるはずです。それが通常、ルートディレクトリになります。(サーバー会社により異なるので、詳細はサーバー会社に確認してください)このフォルダを選択して、そのすぐ下にあるフォルダとファイルのリストを確認してください。
.htaccess ファイルは、通常はこのルートディレクトリに記載されているでしょう。それでは、 .htaccess ファイルを開きましょう。
- .htaccess ファイルを右クリックします。
- 「表示/編集」を選択し、「コンピュータのデフォルトのテキストエディタでファイルを開く」を選択します。
これで、テキストエディタを使ってファイルに好きな変更を加えることができます。そして、.htaccess ファイルの編集を終えた後は
- ファイルを保存し
- ファイルを閉じます
.htaccess ファイルの新しく編集したバージョンをウェブサーバーにアップロードするかどうかを尋ねるウィンドウがポップアップ表示され、「はい」を選択すると、変更はすぐに有効になります。
ルートフォルダに .htaccess ファイルが見つからない場合は、まだ存在していない可能性があります。ダッシュボードの「設定」>「パーマリンク設定」にアクセスし、「変更を保存」ボタンをクリックすることで、WordPress にファイル生成を促すことができます。(その際には、特に別のパーマリンク構造を選択して、保存する必要はありません。)
FileZillaを再度開き、ウェブサイトのルートフォルダに移動すると、.htaccess ファイルがあるはずです。
.htaccess ファイルを使って、WordPressでできること
WordPressサイトで .htaccess ファイルがどこにあるのか、どのように編集すればいいのかが分かりました。実際にどのような変更ができるのか気になるところかもしれません。この .htaccess ファイルを使ってできることはたくさんあります。しかし、この記事1つでカバーするには多すぎます。しかし、ここでは例をいくつか見ていきましょう。
まず、リダイレクトについてです。ページや投稿、またはウェブサイト全体を移転する場合は、古いURLにアクセスしたユーザーを、自動的に新しい移転先のURLへと誘導する必要があります。これには301リダイレクトの設定が必要で、 .htaccess ファイルで実現できます。
ページを1つリダイレクトするには、 .htaccess ファイルの一番下にこの行を追加します。
Redirect 301 /oldpage.html http://www.samplesite.com/newpage.html
実際に使うには、
- /oldpage.html をページの古いパーマリンクに置き換えてください。
- 続くURLを新しい移転先ページのリンクに置き換えてください。
リダイレクトしたいページごとに、1行づつ書いて追加することができます。
また、同じように、ウェブサイト全体を別のURLにリダイレクトすることもできます。または、すべてのトラフィックを安全な HTTPS バージョンのウェブサイトに転送することもできます(SSL 証明書がある場合)。
また、.htaccess ファイルを使用して、セキュリティ関連の変更を多く行うことができます。例えば、このコードを追加して、不正なユーザーがいくつかの重要なコアファイルへアクセスすることを拒否できます。
<FilesMatch "^.*(error_log|wp-config\.php|php.ini|\.[hH][tT][aApP].*)$">
Order deny,allow
Deny from all
</FilesMatch>
セキュリティを向上させるための .htaccess ファイルの使用については、WordPress Codex の記事を参照してください。変更を試す際には、サイトのバックアップとステージング環境を使用することを忘れないでください。
まとめ
あなたのウェブサイトのファイルを直接操作することを学ぶことは、WordPressに詳しくなるための重要なステップです。.htaccess ファイルは、比較的シンプルなファイルでありながら、様々な場面で使用できるので、ぜひとも理解しておきましょう。
WordPressサイトで .htaccess ファイルを変更する前に、必ずサイトのバックアップを取り、念のためにステージング環境を利用しましょう。そして、FTPで自分のウェブサイトにアクセスして、 .htaccess ファイルを見つけて編集します。その方法を分かれば、必要な機能を追加するために必要なコードを調べれば、完璧です。